【NewsLetter208】弱さへの心配り(続き)コース・マルセル神父

15年ほど前、ダルクでリハビリをへた若者が近くのアパートで一人暮らしを始めた。ある時、招かれた教会の集いで彼は体験談を語った。依存症の人が自分の体験を話せるようになるのは大きなステップだ。

が、その数日後、彼はアパートで自ら命を絶った。また、元気に見えた青年が依存症治療の通院先で自殺したこともあった。

一方で社会復帰して仕事を得たり、家庭を持ったりするようになる人を見送り、見守っていく喜びもある。

ダルクのスタッフは回復した薬物依存症者で、弱さを糧に弱さでつながリ、助け合って回復を目指している。九州ダルクで回復した青年たちは九州の他県にダルクを作っていった。

「ダルクという希望の種が九州全土に撒かれた」

神様の居場所はどこに?

私の内の見えざる神を感じて洗礼を受けた人たちもいる。それは、小さく弱く貧しくされた人たちをこそ大切にする神の愛だ。弱いことは悪いことではない。

「弱い人たちがいなくならないのは幸いなこと。けんかをするのは強い人たちだから。弱い人たちは団結できる。それに、弱く貧しい人の中には神様の場所がある」

私の揺らがない信念だ。

<弱さへの心配り>NewsLetter206号

 

 

カテゴリー: 208号(2018年8月), ニューズレター タグ: パーマリンク