【NewsLetter174】薬物依存症のタツヤ

 今から4年ほど前、僕は福島刑務所を出所して、茨城ダルクにつながりました。今でもそうだけど当事の僕は、もっと囚われが強く、仲間の中になじめず、とても辛かった事を覚えています。

 だからいつもクサっていました。いつも不貞腐れているからか、余り僕に話しかけてくる仲間はいませんでした。ある日「元気?」って話しかけてくれた仲間がいました。とても嬉しかったのを覚えています。

 その仲間はとてもユーモアがあって、よく僕を笑わせてくれました。僕が辛そうにしているのを見かねてかアドバイスをしてくれたり、僕の性格上の欠点を上手に伝えてくれたりもしました。とても親切な仲間でした。

 その仲間は福岡の久留米出身で、僕が九州ダルクに来て3年のバースデーを迎えた時も色紙に福岡弁で励ましの言葉を書いてくれていました。茨城の愛泉太鼓で僕におけどを叩かないかと誘ってくれたのもその仲間でした。

 僕が茨城ダルクから九州ダルクに来て1年と5ヶ月経ちました。去年の仙台フォーラムでその仲間と会ったときも元気だったし、いつもの様に笑い合いました。

 今日その仲間の訃報を聞きました。また会える日をとても楽しみにしていました。正直に言うと、こんな時にも薬を使いたいと考える自分が居ます。でも今日一日は使わないで生きます。

 ウルフの冥福を祈ります。あの時話しかけてくれてありがとう。

カテゴリー: 174号(2014年3月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク