【NewsLetter191】NPO法人九州ダルク代表 大江昌夫

このたび発生した熊本県を中心とする地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また被災された皆さまには、心からお見舞い申し上げるとともに、復興に尽力されている皆さまには安全に留意されご活躍下さることを切に願いながら、一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

ダルクの中では、「底つき」「つき離し」という言葉が使われますが、何も本人が死ぬような体験をしてからじゃないとだめだとか、家族や周囲がつき離さないとだめだとかいうことではありません。

私たちはこの薬物依存症という病気に対し、どうアプローチしていけばいいか、どんな手助けができるかを日々考えながら活動しております。

一番大切なのは命です。この命をどう明日につなげていくのかが大切なことではないでしょうか。

それには早期介入が一番だと考えています。しかし病気の理解がなければ、逆に追い込んでしまうこともあります。どんな病気でも刑罰だけでは治りません。

依存症は糖尿病や高血圧と同じ慢性疾患です。糖尿病の理解がなければ、これぐらいいいだろうとか、今日だけならいいだろうとお酒を勧めたり、甘いものを勧めてしまい、本人の命を縮めてしまいます。

しかし病気を本人や援助する側がきちんと理解し、悪化が進む前に対応していれば、健康な生活が取り戻せるでしょう。薬物依存症も同じなのです。

ダルクでいう「底つき」とは、安全な場所と理解ある仲間の中で、病気の理解をし、今までを底つきとする底上げのことです。

つき離しも、出来ることと出来ないことをはっきりさせ、病気に対する避妊の壁を壊す作業のことをいいます。

尊い命を守るためには、個々の力では不可能ではないでしょうか。医療、福祉、司法、地域がそれぞれ出来ることをやりながら隙間を埋め、手を取り合い連携がとれるネットワークが必要だと感じています。

薬物に対して問題を抱えているものが、自分自身の意志や考えではどうしても止められず、段々と生きること出来なくなり、なんとかしなければと思う人、そのようになりつつある人、やがてそうなるのではないかと思う人、止めたいけれど止められない、あるいはもしダルクで止めることがで出来るならダルクのプログラムをやってみよう、そして社会復帰をしようと願う、そういう人たちの手助けをするのがダルクの目的であり、使命だと考えています。他意はありません。

周りの人に迷惑をかけず、幸福な人生をダルクでつかんでほしいと思います。


そんな希望のダルクが熊本にもありますが、今回の地震で被災し、不安な日々を過ごしています。メンバーなどに怪我はないということですが、避難したり、避難所へボランティアに駆けつけたりしています。

この災害で被災した熊本ダルクのご支援をお願いしたく、私勝手なお願いではございますが、下記の通り、振込先を載せさせていただきますので、皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

振込先 熊本銀行 薄場支店 普通 3003127 NPO法人 熊本DARC 理事長 濱元純一

 

カテゴリー: 191号(2016年4月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク