薬物依存は回復可能な病気です。薬物依存は数々の病気の中の一つです。ただ、他の病気と違うところは、この病気は周囲の人、例えば家族、職場の人、友人、知人などを好ましくない状態に巻き込むことです。
そのため薬物依存は社会問題に発展しやすいのです。しかし、病気である以上、回復の方法がないわけではなく、自分の力とか、意志力に頼ることとは全く違う方法、すなわちプログラムに忠実に参加することによって生き方を根本的に変え、その結果、多くの方々が回復しています。
さらに回復した人たちは依存症に苦しむ仲間のために何らかの形で回復に向けて手を差し伸べています。そして仲間を助ける行為こそ、自己本位の古い生き方を捨て、他者に自分を開く新しい生き方の発見であり、その行為自体が彼らを救っていることになります。
ここに希望があります。
自分らしい尊厳を取り戻すために、「今日一日」を口にし、ダルクプログラムを繰り返す仲間たち、そしてそんな私たちを応援してくださる皆様のおかげで、この福岡の地で、シェルターとしてなくてはならない働きをしてきました。私たちの隣には、応援してくださっている皆様が常にいるということに感謝しています。
昨年末に美野島司牧センターの老朽化に伴い建て替えが決まり、完成するまでの受け入れ先探しや引っ越しなどに追われる日々でしたが、ようやく3月15日より大名教会の一室をお借りし、活動を続けさせていただいております。
この話の後にダルクの運営状況の話はとても辛いのですが、引っ越しなどで今日までに借り入れが85万円まで増えてしまいました。今現在、九州ダルクにそれだけ支払える財力はありません。しかし、今いるメンバーを路頭に迷わせるわけにはいかず、借り入れをすることにいたしましたが、返済の見通しが立たないのが現状です。
私どもの努力が足りないためではありますが、日々、苦しい運営状態で活動を続けています。皆様の善意による寄付金に支えていただかなければ、運営していくことが困難であります。
薬物依存症者が回復を望み、生きる希望を持ち社会の有用な一員となるように支えていただけないでしょうか?
薬物依存症者自らが薬物依存症者を支え、共に歩むダルクの取り組み、九州ダルクが回復と成長を手にすることができる場として活動していけますよう、皆様のご支援、ご協力のほど何とぞよろしくお願い申し上げます。
NPO法人九州DARC代表 大江昌夫