【NewsLetter235】年始ご挨拶 NPO法人九州ダルク代表 大江昌夫

謹んで新春をお祝い申し上げます。

皆様おすこやかに新春をお迎えのことと存じます。年末のニュースレターにて行いました緊急支援のお願いに付きましては、多くの方よりご支援を賜り厚くお礼申し上げます。

この年末年始、例年九州ダルクでは正月にキャンプを行っていましたが、今年は自粛し、初詣も行わず美野島にて静かな年明けを迎えました。年末年始の人出からか、正月の連休明けには新型コロナ感染者数が一気に増え、今この原稿を書いている時点では、福岡でも近々緊急事態宣言が出るのか出ないのかという状況です。

色々な意見を耳にもしますが、私達に出来ることはただ、行動を自粛し、家族や施設のような共同生活を行っている関係以外との接触をなるべく避け、会話の際にはマスクをし、手洗い消毒などの感染予防に務めること。

ただこれだけの事を継続するしか無いようです。この1年でライフスタイルも随分変わりました。

個人的には規則正しい生活を心がけて健康に留意し、適度な運動を1日の中に取り入れています。それでも日々自由に過ごせないストレスは気づかぬうちに溜まっていくものです。

そんな中でメンバーも、時々不満の訴えや、感情を乱したりすることはあるものの、ミーテイングで話したり人の意見を聞いたりと努力しながら、本当によく頑張っていると思います。

ダルクのプログラムの中での新しい取り組みとしては、ヨーガの実習をオンラインで出来るよう、試しに先月行ってみました。

狭い空間で行うので体の動きは限られますが、メンバーも楽しそうに取り組んでいました。この1年は他のダルクとや自助グループでの交流が思うようには出来ない中で、ヨーガや鳥取岡山ダルクとの連携で貴重な時間を過ごしています。

人間は社会的動物で、社会なくして個人はないと言われますが、これはクリーンな生活を重ねていく上でもとても大切な考え方だと思っています。自分が社会を構成する一部であり、社会に貢献できること、社会からも受け取っていることに気づくと回復の中に喜びが生まれます。

自分勝手な行動が減り、誰かのために動くことが出来るようになるようです。私達はまずこれを、ダルクや自助グループの中の仲間同士で覚えることから始まります。それからダルクのプログラムの中で、社会に向けて回復の道を辿っていきます。

ダルクのプログラムとは言いますが、ダルクの中だけでは回復は出来ません。社会との関わり、皆様の様々なお力添えなしには、本当に難しいことだと感じています。

そして最後にはなりますが、このような状況下でも、薬を使いたい気持ちともう使いたくない気持ちに挟まれて、苦しみを一人で抱えることしか出来ない多くの薬物依存症者が、一人でも多くダルクや自助グループ、そして仲間の輪の中に辿り着くことを願って、今年も力の限り取り組んでいく所存です。

どうか本年も九州ダルクをご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

カテゴリー: 235号(2021年1月), ニューズレター パーマリンク