【NewsLetter160】あいさつ(九州ダルク代表・大江昌夫)

 街中あちらこちらでクリスマスイルミネーションが目を楽しませてくれる季節になり、今年もあと2週間で新年を迎えようとしています。みなさまにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

 先月末に九州ダルク17周年記念フォーラムと佐賀ダルク薬物依存症回復支援セミナーを開催することが出来ました。平日にもかかわらず多くの方が参加していただき、講師の方の話や仲間の話に真剣に耳を傾け、ダルクの活動に改めて関心を持っていただける機会にできたように思います。これも多くの仲間とダルクを理解し応援してくださるみなさまのお蔭です。本当にありがとうございます。

 フォーラムを開いてみて改めて感じたことは、やはり私たちはメッセンジャーなんだということ。強制でも忠告でもなく、自分の身に起きたプログラムの原理がもたらす奇跡(グッドニュース)をただ伝えるということ、ただそれだけでいいのだということです。

 私は自分が何者なのか、すぐ忘れ、自分の病気さえどうにもできないのに、高慢にも仲間を変えようとして勝手に怒り、傷つき、疎外と孤独に苛まれてしまいます。依存症には無力だというのにね。

 しかし、その無力だからこそできることがあります。それは「人の話に耳を傾けるということです。私の回復もここがスタートでした。時間はかかりましたが仲間の話が耳に届くようになり、疑いながらも仲間の真似をし、少しでも先行く仲間のように笑えるようになりたいと願い、鏡に映った自分に笑いかけたり自分を褒める練習を毎日のようにしました。

 そんな情けない自分が嫌いで何枚鏡を割っただろう。それでもやり続けることで自分を知るようになり、誰に対してもどこであっても恐れながらでも正直になる勇気が湧き、昨日や明日より今日に回復する意欲が生まれ、結果に囚われず、配慮にゆだねて今日一日を一生懸命生きることが少しずつですができるようになりました。

 今ではあれほど嫌いだった自分を、愛するようになりました。ハイヤーパワーがそうであるように、完全な私ではなく、今ここにいる不完全なありのままの自分を。狂気ですからそういいながらも愛せない時もありますが(笑)。

 こんな不完全な私達ですが、一人でも多くの人にグッドニュースを届けていきたいと思います。

 薬物依存症からの回復を目指す仲間の支援に、今後とも更なるご指導とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。今年一年ありがとうございました。心より感謝いたします。

 みなさまにとって、健やかなる新年を迎えになられますように九州ダルク、佐賀ダルク一同、心よりお祈り申し上げます。

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