【NewsLetter169】九州DARC代表理事 大江昌夫

 日毎に秋も深まり、紅葉の美しい季節となってまいりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。さて、先月のニューズレターにも少し書かせていただきましたが、今回も保護観察所との連携の続きを書かせていただきます。

 先月の中心は、毎月2回、観察所で行われている「処遇プログラム」についてでしたが、今回は九州ダルクパブリックミーティングと題して、今現在、毎月第三月曜日に県内各地区11か所にある更生保護サポートセンターにてダルクメッセージをさせていただいています。

 これは保護観察所の所長と色々なお話をしている時に出てきたアイディアでした。

 更生保護サポートセンターは、地域における更生保護の諸活動の拠点で、保護司が配置されていて、保護司の活動の支援や、関係機関や団体との連携、犯罪や非行の予防活動などを行っているところです。

 なぜ、サポートセンターなのかと言いますと、今まで観察所の方で行われる薬物事犯者の引受人講習会や保護司定例研修の場に呼んでいただきお話をすることぐらいしかなく、多くの保護司の先生方とお話しする機会がないこともあり、所長からの提案を受けさせていただきました。

 保護司の先生はみなさん、とても熱心で再犯防止のため力を尽くされています。その当事者との係わりの中に、司法だけではなく医療、つまり薬物事犯は犯罪ですが、もう一方では薬物依存症という病気の面がある事を知っていただきたいという思いです。

 私自身、経験ある事ですが、保護司の先生に、薬が使いたくなったと正直に話せないし、身近な家族や友人知人にも話せませんでした。家族には言いにくいけど、病気の一面があることを理解してくれる先生がいたら話しやすいでしょうね。

 再使用の前の再発の時点で気付き、何らかの対策が取れたら、再び逆戻りする人が確実に減少するでしょう。止める事だけではなく、止め続けるには強さではなく賢さが必要だと感じています。私はそれをダルクや自助グループで知ることができ、今も回復し続けることができています。

 ダルクメンバー数人と先生たちの前でミーティングをし、ダルクの活動やメンバーの事を知っていただくことは、この病気は回復できるという希望のメッセージです。

 皆さん風邪を引いたらどうしますか?

 どんな病気でも治療をするには、自分の症状を正直に話さなければ治療になりません。そして看病する側も、病気の理解をしているから病院へ連れて行ったり、薬を飲ませて暖かくして寝かせたりして対応ができます。

 薬物依存症も同じです。当事者が症状を話せる場所が増え、それを理解して対応してくれる方がいる。身近にいる人達が病気の理解をするという事は、回復への近道になると信じて、これからも良き理解者として、良き仲間としてダルクの活動を続けていきたいと思います。

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