【NewsLetter183】薬物依存症のタツヤ

早いもので、今年ももう2月となりました。昨年の12月に、僕はお蔭様で5年のクリーンタイムを迎えました。

5年間、薬が止まってると言うと、何となく聞こえはいいかも知れませんが、僕自身にはとても重いです。

他の仲間と自分を比べて、自分はクリーンが5年あるのに、あれが無い、これが無いと不満ばかり言っています。

人をひがんで、妬んで、劣等感を感じて、自分自身をバカにして、見下して。僕は、昔からそういう生き方をしてきました。自分が持っているもの、自分が恵まれている部分、自分に与えられているもの、そういうものに目を向けず、むしろ、そういうものもバカにしている自分がいます。

哀しい事だと思います。僕は今、NAでのサービスや施設での役割をやらせてもらっています。自分の為にやっているとは、中々、思えない時の方が多いですが、自分に言い聞かせてやっています。

でも最近、僕は正直さを心掛けています。仲間になら、自分の本心を話しても大丈夫なんだなぁ、と思えるきっかけがありました。

本音を話せると、とても楽です。ですが、自分で自分の本心がどこにあるのか解らない事の方が多い気がします。

もう、キレイ事や建前は沢山です。自分にウソをつくのももう嫌です。人の顔色だけを伺い、その人が言って欲しそうな事や、やって欲しそうな事を考えるのも疲れました。

少しずつ少しずつ、仲間に支えられながら本心を話す練習をしています。もう古い生き方はしたくないです。

NAでも、ダルクでも、僕は病気を出しながら、仲間に支えられて毎日過ごしています。もう、やってらんないや、って思うときもしょっちゅうありますが、そんな時も仲間に聞いてもらいます。

狂っている僕の相手をするのは、本当に大変だと思います。僕は薬は止まっていますが、ダルクの中や外で、しょっちゅう問題を起こします。

しかし、不思議な事にダルクの人達は、絶対に追い出す事はしないんですね。そう考えると、そういえば僕が、12年前にダルクに繋がった時もそうだったなぁって思い出します。

薬を使って仲間を巻き込んでも、ケンカをしても、警察に捕まっても、追い出された事は一度もありませんでした。

僕は今から12年位前にダルクに繋がりました。大分、回り道をしてる気もしますが、その分、沢山の仲間から、沢山のものを頂き続けています。

当たり前になってしまっているクリーンですが、現実は明日使ってしまうかもしれませんし、生きているって保障も何処にもありません。

それも仲間が身をもって教えてくれました。助けられ続けている命だとしたら、大切にしたいです。父、母、今まで僕に関わってくれた人達、仲間に感謝です。

カテゴリー: 183号(2015年2月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク