【NewsLetter183】薬物依存症のフテコ

今回は、昨年(平成26年)のクリーンタイム1年のバースデーを迎えた事を書きたいと思います。

本当に、短いようで長かった一年でした。今まで何度も逮捕され、何度も少年院に行きました。

社会に出る度、更生保護施設に入寮して、そこでもたった一人でクスリを止めていくしかなかったし、少年院から社会に出て、毎回、1か月ももたずにスリップしてしまいました。

だから、こんなに長い時間、社会で生活している事も、クスリを1年も止め続けられたことにも、正直ビックリしています。

やっと辿り着いた1年に、支えてくれた仲間やダルクやNAに感謝します。

それでも正直、クリーン1年に甘い期待もしていました。

それは、クリーン1年を迎えたら、邪気も回らなくなって、仲間とも良い関係を今以上に築けて、生活もモチベーションも上がり、良くなるんじゃないか。そうだといいなぁ…。いや、そうなるハズなんやな。と思っていました。

でも、現実はそんな事ありませんでした。現実は邪気も回るし、仲間との距離感で悩むし、正直になれない時だってあるし、ほぼ毎朝、ダルクに行きたくないなぁ…という考えが頭によぎります。

やっぱり、一昨年にスリップした時、失くしたものが大きかったです。私に残ったのはダルクとNAと仲間達でした。これらは今とても大切です。

それまでは、正直言うと当たり前になっていた事でした。ダルクはいつもそこにあって、NAはいつも開いていて、仲間はいつも側にいてくれる。

だけど、一昨年スリップして、それらがあるのは当たり前じゃないと思いました。もうこれ以上何も失いたくないと思っています。

もう、クスリは使えないし、使うという選択肢は、今の私にはありませんが、後何年も何十年も使わないのは辛くなる時もあるし、お酒ももう飲めないと思うと辛くなる時もあるかもしれないけど、この1年のクリーンは本当に私にとっては奇跡なので大切にしていきたいです。

今までの、この21年間、何度も死にたいとか、もうどうでも良いとか思っていたけど、このスリップしてからの1年は死にたくないと思いました。

私も先行く沢山の先輩達の背中を追いたいし、クリーンと共に生きて変わって生きたいです。

カテゴリー: 183号(2015年2月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク