【NewsLetter185】薬物依存症のアキラ

ダルクに入寮して8ヶ月が経ちました。前回、この様にニューズレターを書いてから、色々な事がありました。

ダルクでの生活は、断薬の為に厳しいプログラムを毎日行う、といった印象があったのですが、ここ、九州ダルクでは、もちろん、毎日、ミーティングを行っているのですが、一日のほとんどの時間を、仲間と楽しく過ごすように心掛けてきました。

そして、仲間も、そんな僕に時には、呆れながらよく付き合ってくれています。おかげで、日常のなかでは、薬の事を考える時間もなくなり、僕なりの回復を順調に続けていっています。

最近では、NAのスポンサーに、大分の仲間になってもらう事が出来、スポンサーシップをとる様になりました。

何回か逢っているうちに、僕の直感が「この人以外にいない」と思った人になってもらう事が出来て、本当に嬉しく、自分の中のハイヤーパワーがひと回り強くなった気がします。

話は変わりますが、僕が入寮してから、九州ダルクでは、仲間の入れ替わりが結構あり、ダルク内での僕の立場も、それに伴い変化している様に感じられ、これまでサポートを受けていた側だったのが、サポートをさせてもらう事が増えてきました。

これは、決して自分にとっては嫌な事ではなく、仲間と一緒に上手く全体の雰囲気を良い方向へともっていければいいな、と思っていて、これは、自分の長所を活かせるのではないか思っています。

現在、九州ダルクは古株の仲間がいなくなり、役割を皆で分担していかなければならない状況で、お互いが助け合わないといけません。僕も積極的に、その輪に加わっていこうと思います。そして、笑いの絶えないダルクにするのが僕の理想です。

さて、先程、毎日薬物の事を考えなくなったと書きましたが、僕の依存症という病気が治ったのかといえば、そうではありません。依然として僕の中には、薬物に対する執着心が消えておらず、正直、使えたら良いな、という想いがあります。

ですが、決して悲観してはいません。薬物依存症という病気は、回復しても完治する事は無いという事を理解できたからです。一度、リンゴを食べてしまったアダムとイブの様に、その魅力を知ってしまった人間は、もう元には戻れないのです。

だからといって、薬物を使ってしまった事を後悔していないのは、元々、一度しかない人生なのだから経験しておかないのは損だと思ってしまう性格だからです。

「清濁併せ呑む」という言葉がありますが、何にでも好奇心を駆り立てられてしまうのが僕の良い所であり、悪い所でもあります。

ただ、薬物に関しては、コントロールを失うという経験もしたので、できれば使わない方がいい、という事も理解しつつあります。

使わない方を選択するのは、自分一人の力だけでは難しい所があるので、僕は今、使わない為の道具集めをしている所であり、その道具を手に入れている実感もあるので、仲間に助けてもらいながら回復し続けたいと思っています。

カテゴリー: 185号(2015年4月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク