NAで1年のバースデイを迎える事ができました。仲間に支えてもらったので、この日を迎える事ができたと、本当に感謝の気持ちで一杯です。
1年前、初めてNAに行ったのは、病院に入院している時で、訳も分からずに連れて行かれ、「神様」とか「仲間」とか「ハイヤーパワー」といった言葉を聞いた僕は、とても自分には向いていない場所に来てしまったと思いました。
薬物を止めるのは、自分の意志の力に拠るところだけ、と考えていて、NAのミーティングに出たところで、何も得る物は無いと思っていたのです。
ところが、この時すでに僕は、ハイヤーパワーの恩恵を受けていたんだと感じています。
僕は、その病院に3ヶ月入院していました。地元から遠く離れた九州にわざわざやって来て入院したのにもかかわらず、病院で行われた薬物治療のプログラムは、どれも理屈は分かるのですが、僕の薬物に対する執着を消し去る効果は無く、退院の日が近くづくにつれて、このままでは薬物を止める事など無理だという思いに駆られ、どうしたら良いのか途方に暮れていました。
そんな時に、僕の頭の中によぎったのは、NAの会場に来ていた福岡のメンバーの高笑いだったのです。こんな奴がいる所なら自分も行ってもいいかなと、ダルクという選択肢が急浮上しました。
今現在、その仲間達と一緒に生活をしていますが、自分のその時の直観は間違っていなかったと心からそう思えます。
色々な性格の仲間がいて、皆色々な病気を抱えていて、それでいて、愛すべき部分がある大切な仲間です。お互いの事を思いやり、きれい事をならべず、本音をぶつけ合う事ができる信頼できる仲間です。
そんな仲間達と、あの嫌々行ったNA会場で会わなかったら、今の僕はありません。これこそハイヤーパワーのなせる業としか言い様がありません。
1年前、周りから薬を止めろ、止めろ、と言われ続け、うんざりしていた自分が薬なしでも毎日を楽しく生きる事ができる様になったのは、ダルクのおかげであり、仲間のハイヤーパワーのおかげなのです。
ここでは、薬の事を悪く言う人はいません。あんないい物は他にないと皆が言います。僕と同じ考えの人間ばかりです。
それでも使ってしまった時のリスクを考え、使わない道を選んでいっています。薬はダメ!絶対使っちゃいけない物!そんな言葉はもうたくさんです。
病気の事を何も分かっていない人が言う言葉です。僕の心には全く届きません。でも仲間と過ごす日々は、今日も一日、薬を使わずに楽しく生きれた事が積み重なり、何物にも変えがたい自信となり、回復の道を進んでいる実感が得られます。僕が薬を使ってきた期間を考えると1年というのはまだまだ短いと思われます。
ですが、ずっと使い続けてきたのに、1年も使わずにいられたとも捉える事もできます。この1年をきっかけにクリーンな人生を続けていきたいと思います。本当にすべての人に感謝です。