【NewsLetter200】薬物依存症の梟(フクロウ)

僕が覚せい剤を初めて使用したのは、地元の先輩たちの誘いと、そして僕自身が以前から先輩たちが使用している事を知っていたため、興味があり、誘いに乗ったのがきっかけでした。

それからというもの、少年院、刑務所の出入りの繰り返しで、使用を始めて32年の月日が経ちました。

その期間、薬をやめようと考えたことが何度もあったのは事実ですが、自分一人ではやめられませんでした。

以前、受刑生活中に薬物離脱指導を受講し、「ダルク」の存在を知りました。

そして、最後の9度目の受刑生活を、2ヶ月の仮釈放により、出所しました。

仮釈中には毎月2回、保護観察所に尿の提出を求められていたため、覚せい剤は使用しませんでしたが、仮釈放が終わる少し前から、再度使用するに至ってしまい、以前と同じように毎日、体に覚せい剤を打ち込んでいました。

その結果、今年の6月にまた逮捕されたわけですが、尿検査の結果、陽性の反応は出たものの、諸事情により不起訴処分となり、7月に釈放されました。

僕自身、釈放された事により二度と同じ事を繰り返し、受刑生活をしたくないという気持ち。そして今までのままでは、覚せい剤を止めることはできないという考えでした。

その時、以前受刑していた刑務所の薬物離脱指導で群馬ダルクのプーさんとショーンさんから指導されていた事を思い出し、電話をして覚せい剤を止めたい気持ち、そして今までの生活の事を相談しました。

できるならばダルクに入寮し、薬物をやめたい旨を話したところ、地元より離れたところの方が良いのではないかという事で、九州ダルクを紹介していただきました。釈放されたその日に福岡空港まで迎えに来ていただき、九州ダルクにつながったわけです。

最初は右も左もわからず、知らない土地で知らない仲間ばかりで不安でしたが、現在1ヶ月が過ぎ、仲間の皆さんに助けてもらいながら生活しています。

最初の頃は、人前で話をするのが苦手でなかなか話せなかったのですが、少しずつ本音を話すことができるようになってきました。

今後、これから先は長いと思いますが、仲間に相談しながらプログラムに取り組み、クリーンでいたいというのが今の僕の気持ちです。

カテゴリー: 200号(2017年9月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク