【NewsLetter211】薬物依存症のタカ

私は今年の9月に鹿児島刑務所を出所 し、出所後そのまま九州ダルクにお世話になる事になりました。

入所したきっかけは、刑務所内での面接官との話の中でダルクを勧められた事からです。最初この話しを聞かされた時には、「何で俺が」とか、「何で俺だけ」に勧めるのか、全然納得することが出来ませんでした。 そして、入るつもりもありませんでした。

でも、1ヶ月2ヶ月と経つうちに、自分なりに色々と考えてみると、ダルクの事を何も知らずに否定するのはどうなのか、とか。もっと早くダルクの事を知って入っていれば刑務所に何度も入ることは無かったんじゃないのか、ダルクに入れば本当に薬物と手を 切ることが出来るのではないか、などと考え思い切ってお世話になる事にしました。

自分は沖縄出身なので、初め刑務所から沖縄ダルクの代表に手紙を書き、面会してもらい色々と話をして、 沖縄は地元なので受け入れられないとの事で、沖縄以外のダルクで自分を受け入れてくれるダルクを探してもらいました。それで九州ダルクにつながリ、九州ダルクの代表に刑務所に面会に来てもらって、引き受けをお願いしました。

ここに来て早いもので1ヶ月と少し過ぎました。何もかも初めての経験なので、色々な不安はありましたが、温かく仲間達が受け入れてくれて感謝しています。不安も少しずつなくなり、ミーティングなどでも自分の考え、気持ち、経験など少しずつ話せるように なってきています。仲間達は、自分より若い人がほとんどで元気もあり、一緒に過ごし ていると自分も元気をもらい、若返った気 分にしてくれます。

ダルクというと自分のイメージは、安定剤を大量に飲んでいる人ばかりの暗いイメー ジを想像していましたが、ここ九州ダルクはそんなイメージは全然ありませんでした。自分にとってとてもいい環境で感謝していま す。感謝出来るので、ここで生活していく事は苦にはなってなく、素直な気持ちで自分と薬物の問題に取り組むことが出来ています。

社会に復帰する事は、自由ではありません。ここでの生活より自由はないと思いま す。生活していく為に働き、嫌な事などからも逃げられず我慢して生活していくので、社会は大変です。大変ですが、その分それを補う楽しみ喜びがあリます。その楽しみ喜びを勘違いすればまた同じ過ちを繰り返すのは確実です。自分はもう40代後半になりま す。立ち直るには最後のチャンスだと腹をくくって真剣に考え、今までに逃げてきた事、目をそらしていた本当に自分がしないといけない事を逃げずにやっていこうと思います。

仲間達の話などを聞いて、気づかされた 事忘れていた事薬に立ち向かうのに必要な仲間達に出会えた事すべてに感謝します。

カテゴリー: 211号(2018年12月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク