【NewsLetter220】薬物依存症のイジケムシ

ダルクに来て約8年、薬が止まり約6年経ちました。体格も大きくなり、施設での役割を持ち、メッセージに行ったりすることは、つながった頃には想像もつきませんでした。

最初は苦手で嫌だったメッセージも、得意とはいかないまでも、なんとか出来るようになりました。この前、代表から、メッセージ先で会った方から届いた手紙を読ませてもらい、自分がやってきたことが、自分の為だけでなく、同じ依存症の方に役立っていることが実感でき、すごく嬉しかったです。

施設での役割を持つ前は、何も考えず、とりあえず薬が止まって仲間の中にいて、なんとなく好きなことだけやって過ごしていければ良いと考えていました。でも、役割を持つ中でそういう訳にはいかないし、薬を使う原因になった、自分の生きづらさや自分の問題に直面し、とまどってしまいます。

今でも自分の問題が、中々見えずに人のせいにしそうになりますが、同じ役割をやっている仲間、先ゆく仲間が、自分のために指摘してくれ、なんとか気づくことが出来ます。

社会の中では、ここまで深い人との関わりを持つことはありませんでした。狂った自分の頭で何でも考え、やって失敗すると人のせいにしました。自分はできない人間だから、仕方ないと思うようになり、自分のことが嫌いになっていきました。

今は人に相談することを練習しています。自分の考えだけで失敗してきたので、同じ失敗を繰り返さないよう仲間の力を借りていきます。

また、最近お昼ごはんを自分で作ったりしています。切って焼くだけの簡単な料理ですが、今までは苦手なことだしと色々な言い訳をして、やらない理由ばかり見てきました。

やらない言い訳ばかりする天の邪鬼な自分に対しても、あきらめずに、それは言い訳だと指摘し続けてくれた仲間のおかげです。最初は不器用でしたが、材料を切ることも、今ではなんとか人並みに切ることが出来るようになりました。

何でもそうですが、今はダルクの守られた環境の中にいて、自分のために多少のリスクを負ってでも挑戦していくことの大切さを感じています。 昔、先ゆく仲間が話していたことですが、未来には恐れや不安があって、過去には罪悪感と後悔しかないそうです。自分はどうしてもそこに囚われてしまい、考え込んでしまいます。

自分ひとりでは薬を止めれず、どうにもならなかった自分を忘れずに、今ここに居る仲間を大切にし、回復していきたいと思っています。

カテゴリー: 220号(2019年10月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク