【NewsLetter241】ダルクのこと 九州ダルク職員

ホームレス支援の関係で美野島司牧センターを時々訪れるようになったのは、もう12年前ぐらいのことです。その頃はまだ建て替える前で、見方によっては廃墟のような建物でした。屋根瓦が擦れて落ちそうなそんな建物の中にいくつかのNPOがあり、そのひとつが九州ダルクでした。ダルクのことは何も知らなかったので、メンバーの方にあってもただ挨拶をすることしかできませんでした。

私はカトリック大名教会の所属です。ある日ダルクで見かける方が二人でミサに参加していることに気付きました。しばらくして勇気を出して声を掛けてみました。洗礼を受けたこと、毎日曜日自転車で来ていることなどを話してくれました。おふたりともとても穏やかで優しい眼でした。その後、若い痩せた、でもいつもニコニコして、足取りが弾んだ感じの方も印象に残っています。挨拶をすると大きな声で返してくれていました。半年ぐらいすると、身体つきも足元もしっかりしてずいぶん雰囲気が変わり違う人のように感じましたが、笑顔で同じ人だとわかりました。

私はインテリアの仕事をしていますので、センターの建て替えの際にデザインなどの手伝いをさせていただきました。床・壁・天井の仕上げ材や外壁の色、カーテンなどを選びました。仕上がり間際の一番忙しい時期にカーテンを取り付ける時、ダルクのメンバーが手伝ってくださいました。窓の数も多いし、カーテンは結構重くて、一人では大変なのでとても助かりました。

その他にもいろいろな場面を思い出します。週に一度全員で洗車をしていますが、あっという間にピカピカになること。敷地内の畑に植えたカボチャを大事に育てていたこと。クリスマスの飾り付けを楽しそうにしている姿。重い荷物に困っていると、お願いする前に運んでくれたこと。気づくと遠くから手を振ってくれること。

ダルクのメンバーは私の心に暖かい思い出を作ってくれますし、美野島司牧センターに欠かせない「働き手」です。これからもリハビリを重ねて、1日も早い社会復帰を目指してください。祈りを込めて、見守らせていただきます。

カテゴリー: 241号(2021年7月), ニューズレター パーマリンク