【NewsLetter245】「最近の話 骨折のこと」 道三

施設にお世話になって早いもので一年八か月が経った。最近は、仲間とも上手く接する事が、ようやく出来てきたのかなぁと思うことが多々ある。正直に嬉しく思う。

そんな中、今年の10月にある出来事があった。仲間とNAに自転車で行っている途中、カーブを曲がっている時にスピードを出しすぎて壁にぶつかり、右手を骨折してしまった。

その時の事はあんまり覚えていないけれど、顔からぶつかり気が付けば右手に激痛が走った。僕は思わず情けない声で「いってー」と何度も叫ぶ。今まで生きてきた中で一番痛かった出来事で、今は右手を手術してプレートが入っている。

入院生活は、ものすごく退屈な日々を送った。たった10日間が地獄のように思えた。勝手に外出するわけにもいかず、もやもやと1日1日が過ぎ去っていった。

ある日曜日の事だった。入院生活がもう無理だと思い、代表に電話した。帰りたいです、と。でも帰る事が出来なかった。さみしさと仲間に早く会いたかったのもあるが、自分のわがままさが顔を出し勝手に帰れると思い込んでいた分、ショックも大きかった。

その時代表は仕事で県外に行っていたにもかかわらず、車を飛ばして病院まで面会に来てくれた。コロナの対策のためガラス越しに電話で話した。DVDを持ってきてくれたりしてくれた。

その優しさで心にぐっとくるものを感じた。本当に感謝。何とか10日目の入院生活が終わりダルクに帰る事が出来た。

たった10日なのに仲間が懐かしく思えた。でも1年8カ月前だったら、そうは思わなかったかもしれない。少しずつ1日1日を通して、目に見えない感覚を覚えるようにようやくなってきたのかなぁと思う。

今は行き詰った時には、話を聞いてもらったりしていく内に、生活も落ち着いてきている。不思議なものだなぁと思う事が多い。後ろを向かず、前を向いて一歩一歩進んで行く。

今は週2回病院にリハビリに通っている。まだ手術して1か月なので不便な事はあるけれど、仲間にサポートしてもらいながら生活を送っている。僕は自転車を乗る時ハンドルを持たず前かがみに運転していた。だから事故をした。まぎれもなく自分のせいだ。

これからはきちんとハンドルを持って、1日でも早く手を治してまた仲間と一緒にNA会場へ行きたいと思う。リハビリを頑張り同じ失敗を繰り返さないようにやって行きたい。

カテゴリー: 245号(2021年11月), ニューズレター パーマリンク