【NewsLetter249】ターニングポイント クニ

ある朝仲間と買い物に行って帰ってきたすぐ後に、ダルクを飛び出しました。

今までも何度か飛び出そうと思った事はありましたが、今回は、仲間に何も相談をしていませんでした。

自分は悪くないと思い正当化して、仲間のせいにして仲間を悪者にします。自分の問題は見ずに勝手に傷つきます。その割には、自分の非について言われたりする事や、他人の評価も気になるので、相談ができません。

自分の中で問題を勝手に終わりにして、溜め込みます。その結果が今回の件につながりました。

飛び出して最初の1〜2時間は楽しかったのですが、その後は何か寂しさや、昔と一緒でまた帰れなくなるのかもしれないという囚われで楽しくありませんでした。昔から人に反応したり、されたりすると居辛くなって逃げる、という繰り返しでした。

今回もそうやって別の場所を見つけるつもりでしたが、道行く人が友達や仲間と一緒に歩いているのを見て、急に寂しくなりました。

1人で何をやっているんだろう。また一つ、帰る場所を無くすのかという気持ちになりました。

自分は一回飛び出したら、そこには帰れません。前に居た他のダルクでもそうでしたが、仲間の目や評価が気になり帰れなくなります。

今回も悩みました。戻ってまた最初からやるのは嫌だとか、色々なことを思い変なプライドが邪魔をしました。しかし今回は初めて、飛び出した場所に戻る事ができました。しかも薬を使わずにです。

今までと何が今回違ったのか、これからよく見ていきたいと思います。

今まで色々な仲間の姿を見てきました。出ていって帰ってこない仲間や死んでしまった仲間。帰ってきてまた仲間の中にいる仲間。一番楽しそうに見えたのは、仲間の中にいる仲間です。

以前にダルクから逃げ出し、10数年ぶりに帰ってきた時にも、何か言われるのではないかと心配でしたが、怒られることはありませんでした。生きていたか、生きていればいいよ。とその一言だけで終わりました。

今回も帰ってきて聞かれたのは、どうする?という事でした。自分からもう一度やらせてくださいと言い、おかえりとハグされました。温かかったです。失敗してもやり直せる場所、やる気があればもう一度やれる場所、居て良い場所なんだと感じました。社会の中では味わえなかった感覚です。

自分は今まで8年以上ダルクに居ますが、自分の話をすることやプログラムは、社会ではやらないと思って真剣に向き合ってきませんでした。今回の事をターニングポイントにして、自分にもプログラムにも向き合っていきたいです。再び受け入れてくれた仲間や代表みんなに感謝しています。ありがとうございます。

カテゴリー: 249号(2022年3月), ニューズレター パーマリンク