施設に来てから今日までで9年。9年というのは、生まれたばかりの赤ちゃんが9歳。小学校3年生になると思うとかなりの期間だと思いますが、そのくらい長くプログラムを受けています。
施設や環境、与えてもらっているプログラムや仲間のお蔭で、今の所は薬を使う事も無く、奇跡的にクリーンタイムが続いています。
9年も薬が止まったらすごく回復しているんだろうなとか、誰もが認めるような人としてやっているんだろうなと思っていましたが、実際の所はそう簡単でもないし甘くはないと、身に染みています。
ここ数年を振り返っても色々ありました。回復って何だろう、クリーンって何だろう、先行く仲間とは、自分自身の為とは一体どういう事か、今でも分かりません。やる気が出たり出なかったり、前に進んだり後ろに下がったり、時折止まってみたりもしました。
分からないなりにも学べた事は、自分の感情で動いていて、今も何一つ変わらないという事実でした。それでも、変わる事を選ばずに逃げていました。
毎年「今年こそは」その次の年も「今年こそは」その次の年も同じ事を言ってきました。いつか良い知らせがくるだろうと行動を起こす事はありませんでした。
現状に満足をしていないと言いつつも、本当に自分は変われるのか、成長するのかと疑ってもいました。
施設で役割をもらっている今、仲間のサポートや自分の事をやって、忙しくもないのに忙しい振りをしたり、役割の事で失敗や、報告や連絡の文章や言葉に抜けがあれば指摘を受けて、それでもまた言い訳をして怒られる。そんな日々をずっと続けています。
そうやって目の前の事に追われている方が自分の問題を見ずに済むし、自分で変わる事を選ぶ事よりもずっと楽だからです。
要するに逃げて来ました。そうやって自分の問題から逃げ続けてきた結果、何の解決にもつながりませんでした。もう自分自身誤魔化しがきかなくなっている事に気付いているし、このままでは社会でも通用しない事も薄々感じています。
自分の考えを使ってやっている事が、自分にとっていかにマイナスになっているか。今の自分に必要なのは認める作業、そして自分自身がずっと執着して来たものを手放す事。じゃなきゃ次のステージには行けない。
「恐れながらでも行動する事、それが本当の勇気だ。それならお前みたいな馬鹿でも出来る。」そういった事を先行く仲間が教えてくれました。
年数やクリーンは関係無く、今日一日は皆一緒で、「今日一日のベスト」の積み重ねが大切だとようやく思えるようになりました。