【NewsLetter252】ノクト

 初めまして、依存症のノクトです。今年の5月に九州ダルクに繋がりました。

 これまでは地元から離れて生活をするという事がありませんでした。地元で幼少期から家族と過ごし、大学も仕事やバイトも実家から通いました。そうした中で、自分の力で何かをするという事や、その為の努力をするといった事もありませんでした。

 自分の怠惰、望む結果が出ない事や思い通りにいかない事を認めたくなかったし、家庭環境や社会のせいにしていました。人とうまく関われない事も悩んでいました。

 そうした悩みを誰にも話せず、アルコールに頼りました。飲んでいる間は、人間関係も他の事も順調だと感じていました。自分には、本来これだけの能力があるのにそれが活かされていないだけだと感じ、やはり自分以外に問題があると、何も変えようとしませんでした。

 その内に肝臓を壊し、アルコール依存症と診断され、病院を通じて地元のダルクに繋がりました。

 地元のダルクでプログラムを続ける中で、より自分の問題に向き合い、回復の為に必要な事として九州ダルクに来ました。

 知らない土地、環境、そしてまた新しい仲間達と関係を作っていく。とにかく初めての事ばかりで不安でした。それでもとにかく今までやってきた事をがむしゃらにやりました。その中で、今まで自分が変わったと思っていた人との関わりという点について、そうでは無いと気付きました。

 今まで心を開いて仲間と接する努力をしてきて、もうそれが誰にでも出来ると思っていました。でも、新しい仲間達の前ではどうしても猫を被ってしまったり、思った事も言えなかったりと、以前の自分になっていました。

 それでも毎日少しずつ行動を変えて、少しずつありのままの自分を出せるようになりました。新しい生活にも慣れて精神的な余裕も出てきました。

 九州ダルクに来たのは、自分の問題と向き合うためです。それはオイラの抱えている、セクシャリティの悩みに関連しています。

 ステップ4を与えられて、棚卸しをしている中で、アルコールを飲んでいた時期と同じ行動を、プログラムに繋がってシラフの生活の中でも再び行なっていた事。それを自分自身で認めたくなくて正直になれませんでした。

 それでも自分を変えないといけないという思いがなんとか勝って、勇気を出して正直になれました。プログラムを続けていく中で、本気でこの問題に向き合う決心がつきました。

 プログラムの中のステップ2は「自分より偉大な力を信じる」事が必要です。今まで、それができませんでした。しかし、ステップ4を書いて、本気で過去と違う生き方がしたいと思った時、自分の考えではなく「自分より偉大な力」を信じて心を開けば、必ず自分の生き方が変わって、善く生きられると信じるようになりました。

 だから、今与えられている仲間達やプログラムを信じて、心を開き続けていきます。

カテゴリー: 252号(2022年6月), ニューズレター パーマリンク