【NewsLetter279】九州DARCにつながって 依存症のボン

 昨年、以前居た施設を飛び出して、生活保護を受け一人暮らしをしました。

 仕事をすれば、お金があれば、まだやり直せると自分本位の期待がありました。最初の頃は自由な感じがして楽しかったです。就労のためのアセスメントや心理カウンセリングも受けました。あなたに向いている仕事は何々です、と色々な結果が出る度にその仕事を探し、紹介してもらって実際にやってみても楽しくない。本当に自分に向いているのか?わからない。

 そんな生活でお酒を飲みました。NAにもたまに顔を出していましたが、お酒を飲んだ事を言えなかったし、言いたくない、そのうちお酒をやめる気も無くなりました。以前はお酒の味が分からないし、飲めないと思っていましたが、感覚が変わって、住んでいたアパートの大家さんがたまにお好み焼きとビールをご馳走してくれるのを、美味しいと思えるようになっていました。

 気付くと大酒飲みの大飯食らいというあだ名で呼ばれていました。施設に居た頃は、自分はお酒には問題ないと軽く考えていました。実際、飲んだ時の事を振り返ってみると、薬物を使っていた頃と同じ行動や思考になっていたように感じます。

 仕事をしても続かず、一人暮らしも楽しくなく、孤立するようになりました。こんな生活いつまで続くのか、これから先どうなって行くのかな?と先の事を考えると不安で、楽しい事をしているはずなのに楽しめない。満足出来ない現実に、どうにもならなさを感じていましたが、強がって自分に嘘をついてカッコつけていました。

 全然自分から正直になれず、大家さんからビールを奢っていた話をバラされ、実は飲んでいましたと言う羽目になり、先行く仲間からは、いつまでカッコ悪い回復してんだと言われました。

 正直になる方法をはき違えました。初めてダルクにつながってから12年が経ちましたが、その頃の自分と何も変われていなかった。結局、どうやって生きて行けば良いのか分からない。そんな状態になるまで、自分の事なのに自分の事がよく分かっていない。

 九州ダルクにつながったのは、慣れ親しんだ土地を離れ、心機一転し、今までの古い生き方を手放し、新しい生き方を探すのが目的です。

 それでも、嘘をつく自分がいます。今プログラムとして日記を書くことで、その事に、またやっているなと気付く事が増えています。

 昔やっていた仕事で腰の骨を折る怪我をして坐骨神経痛になり、その事を今まで隠していました。痛くても痛くない、自分さえ我慢すればすべてうまくいくというズレた価値観に気付くことができ、仲間にその事で相談すると、痛いんだと言ってみれば?と言ってくれて、あれ?そんな感じでいいの?と本当の気持ちを言葉にする事で少しずつ自分の事を肯定出来ているように感じられています。

 今後苦しい時もあると思いますが、プログラムを使い自分が何をどうしたいのか?見つけて行きたいです。有難うございました。

カテゴリー: 279号(2024年9月), ニューズレター パーマリンク