この1年は本当に苦しかった1年です。何度もダルクを出ようと考えました。その度に頭に浮かんできたのが、両親、家族の顔でした。僕はダルクに繋がる前、両親に対して怖い思いを散々させて来ました。実家で何度も暴れました。薬の影響で全ては覚えていませんが、そうとうひどい事も言ってきたと思います。1つ覚えているのが産んでくれた母親に対して「何で産んだんだ」と言ってしまった事で、その事に対して今はすごく後悔しています。自分が依存症だと思えた今だからこそ、改めて気付かされた事です。
両親は今、家族のプログラムを受けていると聞きました。そんな中、僕だけがプログラムから逃げ出してもいいのかと1人考える夜が何日もありました。それでも僕の中にあるエゴの部分が出て来て、施設の代表に、「ダルクを出て行きます」と何度も言いに行きました。その度、代表のトキさんが、両親の事、この先の僕の人生の事について毎回熱く語ってくれました。その中で心に残っているのが「パブロはどういう人生を歩みたいんだ?」と聞かれた時に、僕は「幸せに死にたいです」と答えました。僕にとっての、幸せに死にたいと言うのは、周りに家族が居てくれて、笑って、生きてきて良かったと思いながら死ぬことです。僕には大好きな姪っ子が2人います。その子たちにも僕が死ぬ時には近くに居て欲しいです。そのためには、やっぱり今は逃げ出さずプログラムをやり続ける事だと少しずつですが気持ちが動き始めました。そう気付かせていただいたトキさんには感謝しかありません。
でも、気付いたあとでもやっぱり、僕のエゴが出てくる事があります。正直、本当に苦しいです。今すぐ逃げ出したいと思う夜もあります。でも、やっぱりそんな時、思い出すのが、トキさんと話しをした事や家族の顔です。もう自分のエゴに従い、アディクションに負けてしまう人生は嫌です。たぶん、次にアディクションに負けてしまう時は命が無いと思います。
このニュースレターを書く少し前にも仲間が亡くなってしまっています。本当に悲しい事です。もう僕は誰かを傷付けたり誰かを悲しませてしまったりする事は嫌です。そのためにも今は逃げ出さずプログラムをやり続け回復していきたいです。
もう1度言いますが本当にこの1年は苦しかったです。将来に対する不安、僕と同年代の人に置いて行かれるのではないかとしいう不安、なりたかった自分像とは違う現実による悔しさなど逃げ出したくなることが多くあります。その度にこれからは相談を増やしていこうと思います。1人で考え、1人で行動してしまう事は危険だということも分かるようになつてきました。エゴに従う前に先行く仲間に相談していこうと思います。
この1年、逃げ出さずプログラムをやり続けて本当に良かったと思います。支えてくれた代表、スタッフ、仲間のみなさんには感謝です。これからも苦しいことはあると思いますが、2年に向けて今日1日でがんばりたいと思います。