【NewsLetter142】仲間からのメッセージ・薬物依存症のサル

 今年の2月に、めでたくクリーン1年を迎えました。1年前の俺は、まだ刑務所にいて、よく面会に来てくれた父には、「家には帰ってくるな」と言われ、ふてくされていました。

 4年間、あれこれと反省の手紙を毎月何枚も書いて、うまくいくと思っていたけど、まったく親には効き目がなくて、かなり参っていました。

 出所1か月前に父が面会に来て、俺をそのままにしておくと何をするかわからないから、施設に行けと言われ、行く所のない俺はしょうがなしに九州ダルクに来ました。

 仲間が面接をしてくれ、俺が今までやってた薬のことなどいろいろと聞かれてから入所が決まりました。俺は九州ダルクではなく、佐賀ダルクに入所すると言われ、ダルク生活がスタートしました。

 最初の2日は、九州ダルクでミーティングをしたけど、「言いっぱなしの聞きっぱなし」とか、「自分の正直な話」とか、今までに経験したことがなく、ずっとパスしていました。

 それからすぐに佐賀へ行くということになり、今の代表が車に乗せて行ってくれました。すぐに佐賀の田舎道になり、代表に「佐賀はどう?」と聞かれたので、俺は気を使って、「良い所ですね」なんて言ったけど、本当は「こんな田舎で、これから俺はどーすんだよ!?!?」と思っていました。

 佐賀ダルクでもいろいろな思い出があって、仲間が「ウォーキングに行こう」と誘ってきたけど、2月の寒さと、さらに雨が降りそうなので止めようと言っているのに、行く行くとうるさいので、しょうがなしに行ったのが失敗でした。

 途中で雨が降るし、2時間近く歩くはで、出所したばかりの俺にはめちゃめちゃきつかった。それ以来、その仲間とは、一度たりともウォーキングには行っていません。

 その後も、やっとムショぼけが治ってきたと思っていたら、代表にジムに連れて行かれ、ベンチプレスをやっていました。まさか刑務所を出て4日目でベンチプレスをやるとは思ってもいませんでした。

 それからしばらくプログラムをやっているうちに、九州ダルクの前代表が亡くなりました。すぐに佐賀から福岡に帰りました。仲間から、とにかく身体の大きい人だと聞かされていて、すぐに会えるんだろうと思っていたけど、まさか、葬儀場であんなかたちで会うとは思ってもみなかったです。ただ、本当に身体のでかい人で、棺に窮屈そうに入っている前代表は、俺にはすごく優しそうに見えました。

 前代表が亡くなり、俺は九州ダルクでプログラムをすることになり、今でも仲良くしている仲間と出会えました。いろいろなことがあったし、これからもあると思うけど、せっかく薬も止まったし、仲間と思い出をつくりながら楽しみたいと思います。

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