ぼくが刑務所を出てダルクに来てから早くも2年半が過ぎようとしています。その間、本当にいろんなことがありました。最初のころはまだ妄想や幻聴に悩まされていて、ミーティング中に歌をうたったり、近所のスーパーでキャベツを握りしめて大声で笑ったり、しまいにはギターを盗もうとして警察に捕まったりと、代表やスタッフや先行く仲間に迷惑や心配をかけてばかりいました。
しかし、1年ほどで妄想や幻聴もなくなり、2年半経った今では、ようやく心の平安を取り戻せたように思います。
最近、ぼくががんばっていることは筋トレと農作業です。筋トレは週2回プログラムとして市の体育館に行ってベンチプレスやランニングなどをしています。現在、ぼくはベンチプレスで72.5kg上げています。自分の体重以上の重さです。仲間の中に、まったく自分と同じぐらいの重さを挙げている人がいるので、良いライバルになっています。
ぼくがダルクに来たころは体重が56kgぐらいしかなくガリガリだったのですが、今では68kgになり、身体もガッシリしてきました。自分の今の目標は80kg挙げられるようになることです。そして来年のベンチプレスの大会にも出場したいと思っています。
農作業では、今年は教会の裏の畑にトウモロコシと枝豆を植えました。畑仕事なんて小さいころ、おばあちゃんの家でやって以来なので、約25年ぶりでした。スコップや鍬で土を耕し、畝を作り、種を植えて水をやりました。収穫の時期がとても楽しみです。
あと、最近がんばっていることといえば、仲間のサポートです。現物支給といって、自分で財布を持てない仲間が3人いるので、その仲間の財布を預かって買い物があると言われれば一緒について行って支払いをしてあげます。使い過ぎたり、逆に貯めようとしていたら、注意をしたり、食生活がおかしいと思った時はアドバイスをしたりしています。
お金のことなので、毎晩小遣い帳をつけているのですが、1円でも合わなかったら合うまで何度でも計算し直すようにしています。計算すれば最後はちゃんと合うので、合った時はとてもうれしいです。
最初は面倒くさいと思っていたのですが、仲間のサポートをしているうちにうれしいことやタメになることあるということにも気づけました。これからも良い経験になると考え、面倒くさがらずにがんばっていこうと思います。