ダルクの活動もようやく少しずつですが、社会に受け入れられるようになってきました。でもまだ、病気に対する世の中の幅広い理解が得られているとはいえません。九州ダルクを支援する会では、様々な立場の方に薬物問題に対する考えをお聞きしていくことにしました。当事者、家族、支援者、そして社会――それぞれが相手に抱く誤解や偏見を解いていく参考になるかもしれないと考えたからです。
第1回は、福岡県内の関係機関と協力して「福岡県薬物乱用問題研究会」を開いている福岡保護観察所の荒木龍彦所長に、支援する会の八尋光秀弁護士がインタビューをしてきました。
研究会は6月にスタート。薬物依存から回復しやすい環境を、関係機関が手を携えてつくり出していこうという試みです。県や県警、検察庁、医療機関、刑務所、保護司協議会などから参加。九州ダルクからも大江昌夫代表らがメンバーに加わっています。今年度中に3回の会合を開き、回復支援の環境づくりについて協議していきます。
インタビューではまず、ダルクとの出会いについて聞きましたが、荒木所長が東京ダルクを初めて訪ねたのは20年以上も前――。ずいぶんと古くからの付き合いだそうです。
甲府保護観察所長時代には、山梨県の薬物乱用問題研究会を開き、関係機関と協力して山梨ダルクの開設の手助けもしました。福岡県の研究会も、山梨県での例にならって薬物問題にかかわる人たちの連携を目指したものだということです。
保護観察所が取り組む「更生」と、ダルクのような自助グループでは考え方や方法論の違いは多々ありますが、回復、あるいは再犯をしない、というための有効な方法として、「選択肢の一つには、当然、ダルクは入る」との認識をお持ちでした。
何度刑務所に入っても止まらなかった薬物が、仲間の力によってクリーンを続けられている「奇跡」と、薬物依存症からの回復者が増えることで再犯率も低下し、社会の安全対策にかかる「経費=税金」を抑えられるメリットがあるとしてきされました。(肩書は2012年当時のものです)
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