【NewsLetter161】薬物依存症のタツヤ

  先日、ぼくは仲間みんなで熊本へ旅行に行ってきました。当日、体調があまりよくなかったのですが、車中で仲間と話したり、熊本に着いて、普段見慣れない景色を見ているうちに気持ちが元気になってきました。

  宿泊施設に着き、まず仲間と温泉に入りました。そこは海水の温泉らしく、初めて入るしょっぱいお湯のお風呂に少し驚きました。

  ログハウスのような所に仲間と泊まり、みんなでカレーを作りました。ぼくは風邪を引いているから寝ているよう、仲間に気づかってもらったため、作ることに参加できなかったのですが、牛スジがたっぷり入ったカレーはとてもおいしかったです。それも、自分じゃなく誰かが作ってくれたものはとてもおいしいものですよね(笑)。

  夜はダルクミーティングをやり、これも仲間みんなでコタツに入りながらの乙なもので楽しかったです。夜も仲間といろいろな話を分かち合えてよかったです。

  次の日も温泉に入り、それから熊本城へ行きました。熊本城はとても大きく、また造りも、僕の地元、仙台の青葉城なんかとは全然雰囲気が違いました。

  熊本は路面電車が走っていたことも印象的でした。それから熊本名物の馬刺を食べに行くことになり、店を探しに走っていたのですが、なかなか見つからず、仕方がないから油そばでも食べるか、と言っていたら、去年、仲間が行った店が見つかり、そこで馬刺定食をいただきました。

  考えてみるとぼくは、15歳のころから35歳まで刑務所に入っている時以外、ずっと薬を使っていたので、以前、いつ、馬刺を食べたのか覚えていないぐらい久しぶりでした。

  しらふで仲間と食べる馬刺はおいしかったし、楽しかったです。こうして考えてみると、今、仲間と一緒に経験していることは、しらふでは初めてのことばかりです。

  旅行に行き、温泉につかり、土地のものを食べる。しかもお正月に。普通に聞いたら、当たり前のように聞こえますが、しらふで経験するのは初めてのことなんですよね。

  薬物依存症という縁で仲間と出逢って、一緒に苦しんだり、楽しんだりしながら、薬を止め続けているのですが、今回の旅行もいつか最高の思い出になるのだと思います。感謝。

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