【NewsLetter264】依存症のクルクル

NAバースデーミーティングに参加して

 久しぶりに他のグループの仲間のバースデーミーテイングに参加し、初めて会う仲間、何年かぶりに会う仲間が居て嬉しかったです。

 ミーティングでは、バースデーの仲間だけでなく、会場にいる人達全員がすごく楽しそうにしていて、雰囲気が明るいなと感じました。バースデーを迎えた仲間の姿を見て、自分の欠点や問題に向き合っているし、自分のことを理解しているな、堂々としているなと感じました。

 いつか自分もこんな風になりたい。そうなる為にも、自分の問題や欠点、生きづらさを理解しないといけません。

 自分は毎年のように失敗が続いていますが、自分の回復はあきらめていません。仲間の姿を見て、いつか良くなる。楽になれると実感したミーティングでした。

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【NewsLetter264】依存症のノクト

NAバースデーミーティングに参加して

 去年始めて出会った仲間と、その後何度も顔を合わせ、同じプログラムを受け、そしてその仲間のバースデーミーティングに参加している。プログラムを続けていれば、再び会えるという縁を実感しました。

 また、今回のミーティングでは新しい出会いも与えられました。中でも特に刺激を受けたのは自分と似た境遇の仲間でした。

 その仲間が自分らしく、ありのままに生きている様はとても楽そうに見えたし、自分もそう生きたいと思った。だからミーティングで、自分が今仲間から、「おばちゃん」と呼ばれた事を受けいれられないでいる。という事を話しました。

 でも、受けいれたらその仲間のように楽に生きられ、変えていくべき所も見えてくるのではないか。まずは少しずつでも認めていけるように祈って、ミーティング等を使っていく努力をしていきます。

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【NewsLetter264】依存症のツヨシ

NAバースデーミーティングに参加して

 先行く仲間のバースデーに九州ダルクの一員として参加しました。山口の仲間は、自分が仙台から茨城に来る際に迎えに来てもらったこともあり、ひときわ感慨深い思いでいっぱいになりました。

 バースデーミーティングに参加することが出来て、遠回りした甲斐があったと思いました。山口に初めて訪れることも出来ましたし、佐賀や広島の仲間とフェローシップを取ることが出来て光栄です。

 久しぶりに会う仲間も元気そうだったし、それが何よりも嬉しかった。自分もまだ施設で先行く仲間のように、回復に向けてプログラムを続けたいと思います。

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【NewsLetter263】九州ダルクを支援する会から

弁護士 八尋光秀

 この支援会は、薬物依存症からの回復を目指す人たちを支援するために結成しました。活動は、九州ダルクを立ち上げる準備の時からで、もう30年になります。

 実際は、九州ダルクや九州ダルクに集う薬物依存症の仲間たちを私たちが支援するというより、いろんな形で彼らに支援されています。それは支援会の私たちだけではありません。地域の皆さんにとってもおなじです。

 薬物依存症から回復するための道を築くことは、地域や社会の宝になります。

 20年以上前になりますが、大学で講義を担当していたことがあります。はじめの1回目の授業は、必ずダルクの仲間の話を聞いていただきました。

 「この頃の学生は態度が悪くて、失礼をするかもしれません。」と、学部の教授から先におわびをいただいたような時代でした。

 教室一杯の新入生を前に、ダルクの仲間は、生い立ちから、薬物にはまっていく経過、そこで見てきた風景、依存薬物からの脱却、ダルクでの生活など、緊張しながら語ります。淡々とした、そして正直な語りに、なったばかりの学生たちは耳をすませ息をひそめて聞き入りました。

 「今日彼らが話したことはここだけの話にしてください。彼らは自分のことを精一杯話しました。皆さんもよろしかったらなにか書いてください。」そう言って終わると、次の週には参加した学生のほぼ全員から返事をいただきました。

 ダルクの仲間は、毎日ミ-ティングを複数回行ないます。車座になって、思ったことを正直に話す。言いっ放しの聞きっ放し。批判も意見も一切ない。アノニマスネ-ム(仮名)で語り、そこで語られたことは外に持ち出さないというのがル-ルです。

 九州ダルクを立ち上げて10年を過ぎたころ、地域の人たちとの付き合いも根付きました。そのころもまだ薬物依存症といえば、どうしようもない非行、犯罪で、回復も未来ないと信じられていました。到底、地域や社会には受け入れられない、病院、少年院、刑務所で隔離し続けるだけと思われていました。

 九州ダルクの真向かいにある公民館の館長さん。ダルクを地域に受け入れながらも決して甘い対応はせず、地域の顔としてダルクに厳しくされていました。その館長さんが亡くなられる少し前のこと、私にひとり語りのように話されました。

 「私は館長しながらダルクに何度も奇跡ば見せてもらいました。ダルクに集まる若者は、とてもとてもまともじゃなか。ごげなふうになった子をもつ親御さんは、たまらんやろうと思いました。それが何年かたったころ、その角のスーパーでレジ打ちようとば見たです。私は泣こうごと感激しました。はよう親御さんに見せたかと心底思いました。」

 ダルクは仲間との居場所です。薬物依存症から回復するためにはダルクに入寮し、通所する必要があります。そしてダルクの運営費は毎月不足しています。

 皆様の支援を心よりお待ちいたします。

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【NewsLetter263】NPO法人九州DARC代表 大江昌夫

 木々の緑が日に日に鮮やかになってきました。ダルクから見える青楓がひときわ目に清々しく映ります。今月から新型コロナも5類に移行となりましたので、福岡にも観光客が戻りつつあり、行楽を楽しむ様子の人も多く、街も賑やかさを取り戻した様子です。

 九州ダルクでも、何年かぶりにようやくメンバーを映画を観に映画館へ行かせてあげることができたり、市の体育館でトレーニングの団体利用が出来るようになりました。メンバーは皆長い間、よくマスクや手洗いの生活を続けてくれたと思います。しかしまだ、感染症が収まったともまだ安全とも言えない状況ですので、今後も油断せず感染予防に努めていきたいと思っています。

 さて話は変わりますが、この頃、謙虚さについてメンバーと話す機会がありました。私達アディクトが取り組む12ステッププログラムでは、頻繁に耳にし、口にする言葉です。私も含めて、「謙虚さが必要だ」「謙虚さがない」などとよく言いますが、本当のところ謙虚さとアディクションの問題がどう結びついているのかよく分からないままに、言葉だけが一人歩きしてしまうような所もあります。

 12ステップのプログラムについてご存知ない方には尚更、謙虚さと薬物の問題がどう関係するのか不思議に思われるかと思います。メンバーに「謙虚さ」とは何だと思う?と聞いてみると、色々な答えが返ってきました。

 人の言うことを黙って聞くこと。
 言われたことをはいと受け入れる事。
 言い返さない事、人に先を譲る事、自分を後まわしにする事。
 人に対して敬語を使う事、人として礼儀を守る事、角が立たないようにする、卑屈にならない等々。

 それぞれが思「謙虚さ」がありました。結果、自分思う「謙虚さ」と相手が思う「謙虚さ」が違うという事についての話となりました。

 これらはアディクトだけの話では無いかと思いますが、私達は時々自分の固定観念を元に、自分の思う正しさを押し通そうとしますし、そのことがよくトラブルや人間関係の悩みにつながっています。

 ダルクの中での人間関係は練習の場です。自分の短所や欠点に真摯に向き合っていく際に、今までの生き方や考え方に疑いを持ち、自己中心的なものの見方から一歩離れて自分を見つめ直す時、自分の内側に小さなスペースが生まれるのがわかります。

 自分の考えで頭の中がいっぱいの時には気づきませんが、それは相手の話を聞くこと、受け入れることが出来るスペースです。「謙虚さ」はそこに生まれてくるような気がしています。謙虚さを育むには他者が必要です。

 自分の人生の問題の答えなど、何も分からない。だからこそ求め、人の話に耳を求める事ができる。そのことが分かればダルクも中々面白い所です。ここでの練習で得た経験が、これから社会の中で生きていく上で、少しでも彼らの力になってくれ事を願います。

 ダルク運営の点では難しい面がいつもあり、いつも支援してくださる皆様には、感謝しかありません。献金の件などでいつもお願いしてばかりではありますが、これからも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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