【NewsLetter180】薬物依存症のアキラ

 初めまして、九州ダルクに入寮して2ヶ月目、薬物依存症のアキラです。僕は人生の約半分を薬物を使用しながら過ごしてきました。

 友人とやり始めたマリファナからスタートし、コカイン、LSD、マジックマッシュルーム、MDMA等、ありとあらゆる薬物に手を出してきましたが、脱法ハーブでコントロールを失い、仕事と家庭の両方を棒に振ってしまいました。

 その後、実家に戻り、精神科に通いながら、脱法ハーブの依存症の治療をしたのですが、家族からは、「どうしてそんなものに手を出すんだ」「次に使ったら殺す」といった事を言われる反面、どうしても使いたい欲求が抑えられず、自分を責めながらもスリップしてしまう、といった事を繰り返し、とうとう地元からは遠く離れた九州の精神病院に入院させられる事になりました。

 しかし、その入院だけでは、どうしても薬物をやめる事はできない、退院が近づいても薬物をやめる事は出来ない、退院が近づいてもまったく欲求が減っていない事が自分の中ではっきりと分かったのでダルクに行く事を決めました。

 入院中、NAの会場には何度か行く機会があり、ダルクにはどんな人がいるのかは分かりましたし、一緒に入院していた人でダルクにいた事がある人もいたので、どんな生活をしているのかも聞く事ができたので、あまり入寮するにあたって不安はありませんでした。

 実際にダルクに来てみると、仲間はとてもフレンドリーで、僕を受け入れてくれましたし、とても楽しく生活をさせてもらっています。はじめはよく、ドラッグドリームをみたり、使いたい欲求に苦しめられましたが、仲間に話をしたり、ミーティングを有効に使う事で、それらも少しずつ無くなってきました。

 まだ入寮して2ヶ月しか経っていないのに、完全ではないにしろ、薬物を使いたいという欲求から開放されつつある事に、自分でも驚いています。

 福岡の中心部分にあるダルクでは、自分がその気になれば薬物を手に入れる事が可能で、そういった場所でクリーンを続けていられる事に自信が持てますし、何よりもダルクでは薬物を、「絶対に使ってはダメ」といった事を言う人は誰もおらず、その事が自分にはプレッシャーにならず気持ち良く回復を楽しめています。

 これから先、色々な問題が出て来ると思いますが、この施設と仲間がいてくれれば、きっと良い方向に自分をもって行く事ができる、そんな思いで日々を過ごして行こうと思っています。

カテゴリー: 180号(2014年11月), ニューズレター タグ: , , , パーマリンク