【NewsLetter224】福岡県精神保健福祉センター H.T

「これからもよろしくお願いします」

福岡県精神保健福祉センター所長をしています。このニュースレターはいつも楽しみに読んでいます。

平成29年に厚生労働省の依存症対策総合支援事業が始まり、私どものセンターは福岡県における相談拠点機関に指定されました。その名にふさわしいようにアルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル等依存症の相談を積極的に行うとともに、会議を開催するのが役目です。その会議では地域における現状を知って依存症対策における福祉、医療、相談などの過不足を調整し充実させる手立てを考えることと、会議を通して住民、福祉、医療、保健の連携を進めることを目指します。連携はとても重要で、それぞれ違う役割と目的を持った人同士がまず顔を合わせ、お互いのことを少しづつ知り、親しみ、助けたり助けられたりしながら連携が広がり深まっていくものだと考えています。それぞれの機関の事情やペースを大事にしながらしっかり進めていけたらいいなと思います。

話は変わりますが、依存症が自分に言いわけをしながらやめられない病気だとすれば、私にはその傾向が十分にあると思います。「今日はこれぐらいの仕事をしよう」と思っても、おのれに厳しいというよりは相当自分に言いわけをしますし、調子にも乗りやすいです。今したいことに流されがちで苦しいことは後に回してしまいます。そして、自分のこういうところはカッコ悪いと思います。

その私の近況を言えば、「こんな(いろいろ足りない)自分だからこそ人の知恵や力を借りよう。思ったようにできないことが人にもカッコ悪く思われて恥だが、人は助けてくれるだろう」と思うようになりました。数年前に『逃げるは恥だが役に立つ』というテレビドラマがあり毎週楽しみにみていましたが、そのタイトルに似て「カッコ悪いは恥だが役に立つ」、ではないでしょうか。思えば、この頃よく言われる地域連携とは、「こんなことをしたくて頑張っているけど自分一人ではとても力が足りないし、続かない」ということを周りに伝えて、周りのいろいろな力を引き出すことかもしれません。

こう言っていても、何か自分の言いわけを言っているようにすっきりしないものがありますが、上記の依存症対策事業を始めとしてするべきことを(人に助けてもらいながら)積極的にしていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。

カテゴリー: 224号(2020年2月), ニューズレター パーマリンク