【NewsLetter225】薬物依存症のハジメ

自分が最初に薬と出会ったのは中学2年生の時で、大麻を吸ったのが最初です。当時祖父母に育てられ、周りからは両親がいないことを馬鹿にされて生きて来ました。大麻を吸ったら、不良の仲間になれるのではないか、と。

中学生ながら強くなりたいと思っていました。でも現実はそう甘くはなく、上の人達に目を付けられて、待っていたのはイジメでした。現実から逃げたくて薬を使い、薬があるところヘは何処へでも行きました。

やがで祖父母では手をつけられなくなり、山奥にある施設へ入所させられました。そこで待っていたのは想像を超えるイジメでした。自分の心は悲鳴を上げ始め、もう誰も信じられなくなりました。

自分には友達もいなくなり、もう一人で生きていこうとそのとき決めました。毎日大麻を吸ってクラブヘ行き、女と出会い、真面目になろうと決めて仕事にも行きましたが、薬をやめられず、また1人になつてしまいました。

やがて幻覚が見えて、人を傷つけることしか出来なくなり、覚せい剤に手を出し、1回使用したら世の中が変わったように気持ちが良くなり、それから毎日使い続けました。自分の性癖が変わっていくその気持ちよさは、今も頭の中から離れません。

覚醒剤で一度目の刑務所生活を終えた時、自分の居場所はどこにもなく、劣等感で日に日に心の中が寂しくなり、生きる意味が見つからず、死にたいとすら思えてきました。

二度目の刑務所で、人と接する事の厳しさを知った時、心が折れました。まるで音を立てる様に頭の中が弾けました。懲罰で毎日、出所後こんな所から次はどうやって何処へ向かえばいいのか、正直分からなかったです。

そんな時にダルクという場所に行くという話になりました。その時、正直に言えば、行ってどうなるの? 行けばまたいじめられるんじゃないか?と思い、怖さが毎日頭の中にありました。ダルクという場所はどういう所かも分かっていなかったし、不安でした。

そんな中でダルクの代表と面接があり、ダルクの説明を受けました。二度目の面接で、自分はいくことを決心しました。出所してダルクに向かう車の中で、不安で逃げ出したくなるくらい、内心ではどうしようかと思っていました。

今、ダルクに来てから1週間くらい経ちますが、まだ慣れないし不安です。来て2日目にフラッシュバックで倒れた時は、なんだかやりきれなくて悲しくなりました。

しかし、これから回復していく中で、自分は1年や2年ではどうしようもできないので、もっと長い年月が必要だと思っています。

仲間と共にこれから先、歩んでいきたいと思います。

カテゴリー: 225号(2020年3月), ニューズレター タグ: , パーマリンク