【NewsLetter229】パースデイを迎えて クニ

私は7月に5年のバースデーを迎えます。

薬を使っていた時は、まさか自分がこんなに何年も薬が止まるとは思いませんでした。

今まで私はどんなにお金が無くても、仕事がある時でも使っていました。すごく自分でも驚いています。今のダルクに来る前にも、他のダルクにいたことがありましたが、そこでは2年しか止まりませんでした。すベる仲間や出ていってまた帰ってくる仲間を見て、なんで? と思っていましたが、自分もそうでした。

ダルクから逃げ出し、一週間後には使っていました。同じでした。

今もダルクから出たいとか、仕事をしたいと思う時はあります。あと何年いるのか、不安になる時もあります。年数について考えている時、昔ダルクから逃げ出した時を思い出します。何年いるから、止まっているから大丈夫だと思って、自分勝手な行動をとった結果、初めて刑務所に行きました。

私は一度逃げ出すと、中々仲間のもとに帰って来ることができません。他の人の目を気にして帰れなくなります。以前仲間に「帰ってこないじゃなくて、帰ってこられないんだよね」と言われました。

そうなんです。今でも、出たくなると、その言葉を思い出します。薬を止め始めた時は、プログラムなど何をやるのも、やればいいか、という感じでやる気がありませんでした。

そのくせ自分を強く見せたくて、仲間に嘘ばかりついて見栄を張っていました。出来る自分を演じていました。薬を最初に使った時と同じ状態です。止まっているだけでした。

それに気づかせてくれたのは仲間たちでした。クリーンタイムの長さが大事なんじゃない、止めるだけじゃ変わらないんだと言われました。

今のまま社会に出たら、また人間関係のことなどで昔に戻りそうで怖いです。

そんな私ですが、この5年で、変わったかなと思う部分もあります。九州DARCにきて始めた筋トレ、ジョギング、パソコン等です。昔は何かを身につけることや、自分を演じることで、心を満たしていました。

自分に自信がないから、出来ない自分を見せるのが嫌でした。だから最初は無理だと思うことはやりたくなかったし、自分はだめだと思っていましたが、やっていくうちに少しずつですが、出来るようになりました。自分に少し自信がつきました。

他の人に合わせなくていい、自分は自分でいい、その言葉に力をもらっています。もう昔の自分には戻りたくないです。今と昔とどっちが楽かと言えば、今のほうが楽です。これからも自分のペースで他の人と比べないで、ゆっくりやっていきます。

カテゴリー: 229号(2020年7月), ニューズレター パーマリンク