【NewsLetter240】仲間の話 テラ

自分は、4月に病気になりました。その病名は心筋梗塞です。生死に関わる病気だということを、後からの先生からの説明で知りました。

なんで今、病気になるんだと思い、正直ショックでした。自分は49歳でダルクの中で若くはありません。小さな頃から体は丈夫で風邪をひいたこともありません。この年になってまさか心筋梗塞になるとは夢にも思いませんでした。

14歳でシンナーを覚え、20歳で覚醒剤に変わり、時にはブロンなどいろいろな薬を使い続けてきました。今まで薬が止まったことなど一度もありません。

今回、ダルクに繋がり2年も薬が止まっているのは、初めてのことです。ダルクでの生活は規則正しい生活です。これで自分は心も体も回復していくのだろうと考えていました。

心は、まだまだ回復していないと自分では思いますが、代表からバースデーの色紙にこんな言葉をもらいました。

「本当の回復が始まるね。今日一日仲間と共に」という言葉です。

本当の心の回復、体の回復とは何か。今回心筋梗塞になった事で、生活は今までとはガラリと変わりました。

食生活では塩分制限があり1日6gまでしか摂ることが出来ません。楽しみにしていた煙草も吸えない。悪くなることはあっても良くはならない心臓。

なんで俺だけ? 食べたいものを食べたい、吸いたいだけ煙草を吸いたいと、気がつけば頭の中は1人で自暴自棄になり、その結果、取った行動は、塩を舐めることでした。

本当に馬鹿だと思います。今回、病気になったことで沢山の人や仲間にお世話になったのに、勝手に自分は1人だという気持ちになり、周りが見えなくなり、そんな行動をしてしまいました。

その夜に電話で、塩を舐めてしまったことを代表に話しました。怒られると思っていましたが、代表は、俺は怒らないよと言って笑って話を聞いてくれました。あの時怒られていたらどうなっていたかは分かりません。

それほど病んでいました。話を聞いてもらって落ち着き、目が覚めました。考えてみたら、病気になったことは悪い事ばかりではありません。

それは薬物に対しての事です。自分はもう薬を使えない体になったという事です。自分の体だから分かりますが、今もし体に薬を入れれば、心臓は止まります。もう何があっても薬は使いません。今この命があるのは、周りの人、仲間、お世話になった人達のおかげだと思っています。

これからも感謝の気持を持って生きていきます。人は1人では生きていけないのも分かりました。本当の回復をして、病気なんかには負けない心と身体を作っていきます。ゆっくりと今日一日で。たくさんのお世話になった人、仲間に感謝です。

カテゴリー: 240号(2021年6月), ニューズレター パーマリンク