【NewsLetter158】薬物依存症のルーディー

 数年前、見学に行った群馬ダルクでは、ハウスミーティングで一人一人の仲間の感情をシェアしあい、当時の代表が仲間に愛情を持って危険なことを一つ一つ伝えて、あなたが大切だからと言葉にしていた。

 こんなプログラムの伝えかたもあるんだなと驚き、こんな風に愛情持って伝えれるようになりたいなと思った。その時の仲間たちと再会できる喜びと、フェーズプログラムの仲間からの評価があると言う噂に、少しの不安を感じながら、今回のTCCプログラムに参加した。

 参加してまず、第一声。「ルーディー、今日は元気ですか?」と質問。「疲れててあまり元気じゃない」。他の仲間たちにも「元気ですか?」とほとんどの仲間が「元気です」と返事。

 群馬ダルクのショーンから、「日本人は感情表現が苦手ですねぇ」と一言。「なるほどなぁ」と納得しながら、顔のイラストが沢山あるなかから、過去どん底で最悪だったときの顔を選び一人づつ発表、今日の顔を選び一人づつ発表、自分のなりたい顔を選びまた一人づつ発表。

 イラストになると自分の気持ちも分かりやすく、一人づつ発表してみると、普段分かっているつもりでいる仲間の気持ちがどれだけ理解できていないか、そして自分のことを仲間にどれだけ言葉として伝えきれていないかが見えた。

 ミーティングに長年出ていても、未だに自分の本当の感情を理解して言語化するということは、上手にはできていないようだ。

 次のプログラムの、感謝のリストも最近の自分に欠けていたもの。以前は、毎日寝る前に書き出した感謝のリストも、書くことも止まり、日ごろ起こる様々なことにも、「これが嫌だった、あれが傷ついた」とネガティブな事に目がいくことが増え、感情自体まも灰色になっている。

 ちゃんと振り返って見ると、「仲間が信じてくれた、心配してくれた、与えてもらえた、楽しんでくれた」――。

 あげるときりがないほど、圧倒的に嫌なことよりも良いことの方が多く起こっていることに気づかされる。バランスが悪いのは、嫌なことばかりに囚われてしまう自分の悪い習慣のせいのようだ。

 現実を直視しやすく導かれるプログラムのおかげで、以前は取り組んでいることもできていたことも、抜け落ちていっていること、そして昔は気付けなかった自分の危険な部分に、気付けるようになっている所があった事にも、改めて気付かされ痛くもあり嬉しくもあり。

 まだまだ、これからもプログラムを知ってみたいと感じた。そして、自分も仲間から貰ったものだから仲間たちに伝えているんだと!

 今回プログラムを伝えてくれた群馬ダルクの仲間、共にプログラムをやってくれた鳥取、岡山の仲間に感謝します。

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