【NewsLetter161】薬物依存症のキョン

 はじめまして、依存症のキョンです。

 この度、NL(ニューズレター)を書くことになったのですが、作文や日記を書くのが苦手で、何を書けばいいのか分からず困っています。

 仲間が書いているのを横目少しで見ていると、ものの15分で「よし」とか言いながら書き終えていてビックリしました。その間、ぼくの書けたのは、「はじめまして」の一言のみ…(泣)。 

 こんなぼくですが、がんばって書いてみます。ぼくは、薬物依存症であり、ACであり、摂食障害です。ダルクにつながって、もう1年と3か月になります。今までいろんなことがありました。

 最初、地元から近いとダメという理由で、鳥取ダルクに送られました。

 鳥取ダルクでは、初めて薬物が止まり、処方薬をガラッと変えるところから始まりました。

 正直辛かったです。でも、性格上、やっぱりしんどい、とも言えず、誰にも相談できずにいました。仲間の中にいるのがしんどくなっていき、リストカットが顔を出しました。

 過食嘔吐、盗癖も始まりました。ある時、とうとう万引きが見つかり、事務所に呼び出されました。何か言いたいことはないか、と聞かれ、ぼくは「ありません」と答えました。

 するとスタッフの方から「リストカットしていることや、食べ吐きしていることについてもか」と聞かれ、驚きました。何も答えられませんでした。「止めたいか、止めたくないのか」と聞かれた時、「止めたいです」それだけ答えることができました。

 ぼくは罪悪感で何も考えられなくなり、涙が溢れてきました。ミーティングで降ろすように提案され、握手をし、ハグしてくれました。

 次の日、ミーティングで話すことができました。初めて、今までのことを正直に話ができました。ミーティングの後、再び事務所に呼ばれ、代表からの提案で責任者の方にスポンサーになっていただきました。

 それからはスポンサーと相談したり、先行く仲間に相談することが本当に少しずつですができるようになっていき、ミーティングでも話せるようになっていきました。が、その度に罪悪感は増すばかりでした。

 その罪悪感に耐えられないとリストカット——、昔の記憶が蘇ってくるとリストカット、するとまた罪悪感が.——。まさに悪循環でした。

 スポンサーをはじめ、代表や先行く仲間に支えられ、本気でぼくと向き合ってくれていました。

 ぼくはその思いに答えることができなくて、止めたくても止まらなくて、どうしたら答えられるのか分かりませんでした。刃物を事務所にあずけ、リストカットを我慢し、食べ吐き(過食嘔吐)を我慢し、パニックを起こす回数も増えていきました。

 フラッシュバックを起こし、動脈を切ってしまい、入院することになりました。精神科の先生と話している中で、先生からトラウマの問題で環境を変えることを提案され、そのことを代表に、自分も環境を変えてやってみたいと伝えました。長くなりましたが、そういう経緯で12月18日、鳥取ダルクから施設移動という形で九州ダルクにやってきました。

 九州の仲間もみんな明るくいい人ばかりでホッとしています。やっぱり薬中はいい人多いですよ。プログラムもようやく慣れてきました。この前、プログラムで熊本に温泉旅行に行ってきました。温泉に入って、ログハウスに泊まり、コタツでミーティングをしました。みんなでカレーを作って夜、麻雀をし、帰り道には、熊本名物の馬刺しを食べる事ができました。とてもいい経験になりました。

 PCプログラムというのもあり、2年ぶり位にパソコンに触る事ができて、少しテンションが上がりました。まぁ、LANは繋がってないですけどね。週に2回、スポーツレクで筋トレがありますがこれは苦手です。あとどこに行くのにも、基本、自転車。久しぶりに乗りますがこれが結構楽しかったりします。

 九州に来てちょうど、1か月が経ちました。

 辛いことがあったり、調子の悪い日もあります。リストカットや吐きたい衝動に駆られることもありますが、これからも、今日一日でゆっくり焦らずにプログラムに取り組んでいきたいと思っています。

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